Q5−7
養育費とは、何ですか。
A5−7
離婚に際して親権者とならなかった親も、子供の親であることには変わりがありませんので、離婚後も、子供の生活について、自分自身の生活と同じ水準を維持する義務を負っており(「生活保持義務」と言います)、この義務に基づいて負担しなければならない費用が、養育費です。
養育費の支払義務は、子供に対する義務であり、別れた配偶者に対する財産分与や慰謝料とは異なりますので、財産分与や慰謝料を支払った場合でも、当然、支払わなければなりません。
養育費の金額は、両親の収入状況、子供の人数や年齢を総合的に考慮して定めることになりますが、今日では、裁判所が作成した養育費算定表が広く活用されています。
養育費の支払いは、子供が20歳の成人に達するまでと決められている訳ではなく、両親の学歴等に応じて、高校卒業まで、大学卒業までなど、ケースバイケースです。
養育費について話し合いがまとまったとしても、養育費の支払いは長い年月のことですので、家庭裁判所に調停を申し立てて、調停調書を作成して貰うべきでしょう。
調停調書には、確定判決と同じ効力がありますので、養育費の支払いが滞った場合には、給料差押等の強制執行が可能です。
公正証書でも強制執行は可能ですが、調停調書の場合には、強制執行ができるだけでなく、家庭裁判所の履行勧告・履行命令という制度もありますし、作成費用も低廉です。
養育費について話し合いがまとまらない場合には,家庭裁判所に調停の申立てをすることになりますし、調停でも解決しない場合には裁判所が判断することになりますが、離婚に際して、養育費の取り決めをしていなかった場合は勿論、「養育費を支払わない。受け取らない。」という取り決めをしていた場合であっても、勝手に子供が養育費の支払いを受ける権利を奪うことはできませんので、改めて養育費の支払いを求めることができます。
また、離婚に際して養育費の取り決めをした場合であっても、その後に事情の変更があった場合には、養育費の金額の増額・減額を求める調停を申し立てることもできます。
|