Q5−8
年金分割とは、何ですか。
A5−8
夫はサラリーマンとして外で働き、妻は専業主婦として家庭を支えてきて、離婚(特に熟年離婚)をした場合には、夫はそれなりの金額の厚生年金を貰えるのに対し、妻は僅かな国民年金しか貰えないことになります。
妻も働いている場合には、妻も厚生年金を貰うことができますが、働く期間が短い、低賃金等の理由から、夫に比べて金額が少ないことが通常です。
このような不公平を是正するため、平成19年4月より、離婚時年金分割制度が始まりました。
ところで、この制度ができたことにより、夫の年金の半分を、離婚した妻が自動的に貰えると考えている方もいるかも知れませんが、そうではありません。
離婚時年金分割制度は、婚姻期間中に納めた厚生年金や共済年金の保険料を、夫婦共同で納めたものとみなして、その分の厚生年金や共済年金の報酬比例分(いわゆる2階建部分)を分割することができるようにしたものですが、夫婦間の合意を公正証書にしたものや、調停調書・審判書・判決書と言った書面を、年金事務所(旧社会保険事務所)に提出する必要があります。
平成20年4月以降の分は、年金事務所(旧社会保険事務所)への申請により、2分の1を自動的に受け取ることができることになっていますが、自動的に受け取れるのは、平成20年4月以降に支払った分についてのみですので、それ以前の分については、やはり夫婦間の協議や調停等により、分割割合等を決定しなければなりません。
なお、離婚時年金分割制度は、厚生年金や共済年金の報酬比例部分のみが対象で、国民年金(いわゆる1階建部分、厚生年金や共済年金の老齢基礎年金も同じ)や企業年金(いわゆる3階建部分)は分割対象にはなりません。
年金分割は、離婚した後でも2年間は行うことができることとなっていますが、離婚と同時に解決しておくべきです。
なお、詳しいことは、社会保険庁のホームページをご参照下さい。
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