◆交通事故
後遺障害等級14級で120万円余りの提示だったのが、470万円余りで示談
依頼者の方は、両親と祖父母と同居している独身女性で、祖父母の介護や家事の傍ら、年収100万円程の自営の仕事をしていたのですが、歩行中に事故に遭い、1年余り通院治療を受けたものの、完治せず、後遺障害等級14級9号(局部に神経症状を残すもの)と認定されました。
加害者側の保険会社からの依頼者自身への提示額は、僅か120万円余りの金額でした。
後遺障害等級の認定自体は、妥当なものと思われたことから、取り敢えず、示談交渉をしてみたものの、当方の過失割合は25%で、家事従事者としての休業損害や逸失利益を全く認めないということで、全くお話になりませんでした。
この方の場合、弁護士費用特約がありませんでしたし、家事従事者性の立証には事欠かないと思われたことから、判決であれば勿論、和解となっても、弁護士費用や遅延損害金がある程度認められる裁判という選択もありましたが、依頼者の希望により、財団法人交通事故紛争処理センターに対し、示談斡旋の申立をしました。
示談斡旋委員より、家事従事者性を認め、過失割合は10%で、460万円余りという斡旋案が提示され、当方としては、その金額で示談に応じるつもりでしたが、加害者側の保険会社が頑として示談に応じないことから、審査会に回されたものの、結局、斡旋案を上回る470万円余りで解決すべき旨の裁定となり、その金額で示談が成立しました。
示談斡旋の段階で解決できなかったため、当初、想定していたよりも、日数を要しましたが、加害者側の保険会社の頑なな姿勢からすると、裁判を起こしても、和解には応じず、1審判決が出ても、控訴して来たかも知れませんので、加害者側の保険会社は、審査会の裁定を尊重しなければならないということで、それ以上、争う余地のない手続を選択したことは、結果的に、良かったのではないかと思います。
この方の場合、弁護士費用特約がありませんでしたが、当職の報酬を差し引いても、当初の提示額の3倍以上の賠償金を受け取ることができました。
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