Q2−8
交通事故の被害者で、示談斡旋の申立てをしたいのですが。
A2−8
交通事故による損害賠償問題を適正かつ迅速に解決することを目的として、財団法人交通事故紛争処理センターと、財団法人日弁連交通事故相談センターは、示談斡旋手続を行っています。
両者の手続には若干の違いはあるものの、任意保険会社と利害関係のない弁護士が示談斡旋委員となり、公平・中立な立場で、話し合いにより示談が成立するよう斡旋に努めています。
申立費用が無料である、裁判(訴訟)よりも簡易迅速な手続で、裁判(訴訟)基準に近い賠償が得られる、示談が成立しない場合には、被害者からの申出により、審査手続に移行することになっており、加害者側の任意保険会社は、審査委員会の判断を尊重しなければならないことになっている等のメリットがあります。
示談斡旋は、弁護士に依頼しないで、被害者本人が申し立てることも、勿論、可能です。
しかしながら、充分な法的知識もないまま、聞きかじりの知識で申立てをしても、弁護士に依頼するのと同様の結論を得ることができるかどうかは、何とも言えません。
示談斡旋は、飽くまで話し合いですが、加害者側の任意保険会社の担当者は、弁護士ではないとは言え、示談交渉を生業としていますので、被害者本人の譲歩を求める方が、通常は容易な筈です。
また、審査ともなれば、裁判(訴訟)同様とは言わないまでも、裁判(訴訟)に近い手続を踏むことになります。
最近の任意保険には、弁護士費用特約(交通事故の被害者になった場合に、被害者自身が加入している任意保険から、自らの弁護士費用が支払われる特約)が付いていることが多いので、交通事故の被害に遭った場合には、保険の内容を良くご確認することをお勧めします。
なお、示談斡旋や審査をすることができない事故類型や任意保険会社もありますし、示談斡旋の申立てには、損害賠償請求権の消滅時効を中断する効果はありませんので、ご注意下さい。
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