Q5−10
裁判離婚・離婚原因とは、何ですか。
A5−10
調停は、飽くまで、当事者の合意により解決を図る手続ですから、離婚調停を申し立てても、相手方が出頭しなかったり、出頭しても合意に至らない場合には、離婚することはできません。
調停で離婚が成立しない場合には、家庭裁判所に、離婚の裁判(訴訟)を起こすしかありませんが(勿論、再度、調停を申し立てることはできます)、裁判(訴訟)を起こしたからと言って、必ず離婚できるという訳ではないことは当然です。
夫婦の一方が離婚したくないと言っているのに、裁判所の判決により、強制的に離婚が認められるためには、本人の意思如何にかかわらず、離婚が認められてもやむを得ないような原因がなければなりません(「離婚原因」と言います)。
離婚原因としては、以下の5つが定められています。
@ 配偶者に不貞行為があった時(浮気・売春等)
A 配偶者から悪意で遺棄された時(夫が生活費を負担しない等)
B 配偶者の生死が3年以上明らかでない時
C 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない時
D その他婚姻を継続し難い重大な事由がある時(暴行、虐待、勤労意欲の欠如、
浪費、犯罪、長年にわたる別居等)
但し、離婚原因があっても、裁判所が「一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるとき」には、離婚が認められないこととなっており、例えば、「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない時」であっても、判例は、「病者の今後の療養、生活等についてできる限りの具体的方途を講じ、ある程度において、前途に、その方途の見込のついた上でなければ、ただちに婚姻関係を廃絶することは不相当と認めて、離婚の請求は許さない法意であると解すべきである。」としています。
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