Q4−5
自己破産をすると、全ての財産を失うのですか。
A4−5
自己破産をすると、借金を支払わなくても良くなるかわりに、全ての財産を失うというイメージがあるかも知れませんが、そのようなことはありません。
破産法は、破産者の経済的な更生、再スタートのために、破産時に有する財産でも、破産後も自由に使える財産(「自由財産」と言います)を、以下のとおり、定めています。
@ 99万円までの現金
A 生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳および建具
B 1か月間の生活に必要な食料および燃料
C 主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、
肥料、労役の用に供する家畜およびその飼料ならびに次の収穫まで農業を続行する
ために欠くことができない種子その他これに類する農産物
D 主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕または養殖に欠くこと
ができない漁網その他の漁具、えさおよび稚魚その他これに類する水産物
E 技術者・職人・労務者その他の主として自己の知的または肉体的な労働により
職業または営業に従事する者のその業務に欠くことのできない器具その他の物
F 実印その他の印で職業または生活に欠くことができないもの
G 仏像、位牌その他礼拝または祭礼に直接供するため欠くことができない物
H 系譜、日記、商業帳簿等
I 勲章その他の名誉を表章する物
J 学校その他の教育施設における学習に必要な書類および器具
K 発明または著作に係る物で、まだ公表していないもの
L 義手、義足その他の身体の補足に供するもの
M 建物その他の工作物について、災害の防止または保安のため法令の規定により
設備しなければならない消防用の機械または器具、避難器具その他の備品
このように、自由財産の範囲は、非常に広範にわたっていますが、更に、破産法は、自由財産にあたらない財産がある場合であっても、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた自由財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、自由財産の範囲を拡張することができるものと定めています。
なお、破産後に稼いだお金は、当然、全て自由に使うことができます。
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