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 ◆交通事故
僅か４０万円程の損害賠償額の提示だったのが、１５００万円余りで示談
依頼者の方は、若い方だったのですが、交通事故に遭い、腰椎と胸椎の圧迫骨折等の傷害を負いました。
治療終了後、保険会社から本人宛に送られてきた損害賠償の提示額は、驚くべきことに、僅か４０万円程でした。
一度、圧迫骨折した腰椎や胸椎が、元に戻ることはないので、後遺障害に該当することは明らかですし、保険会社の担当者も、そのことを知らなかったとは思えないのですが。
依頼を受けた後、すぐに後遺障害診断書を取り付け、後遺障害の認定を受けたところ、当然のことながら、「脊柱に変形を残すもの」として、１１級７号の認定を受けました。
それでも、保険会社の提示額は、僅か５００万円足らずと、お話にならない金額でした。
裁判という選択肢もありましたが、依頼者には事故後も殆ど減収はなく、このようなケースの場合、裁判官の後遺障害による逸失利益に関する判断は、被害者側に厳しいものになりがちなため（実際に、逸失利益を全面的に否定した裁判例もあり、裁判官は、被害者本人が、痛みをこらえながら、事故前と同様の仕事を続けていることに対し、余り理解を示さない傾向にあります）、財団法人交通事故紛争処理センターに対し、示談斡旋の申立をしました。
示談斡旋委員の弁護士の説得もあり、半年程で、１５００万円余りの賠償金を受け取るという示談が成立しました。
示談斡旋は、弁護士に依頼しないで、被害者本人が申し立てることも、勿論、可能です（裁判も同様です）。
しかしながら、充分な法的知識もないまま、聞きかじりの知識で申立をしても、同様の結論を得ることができたかどうかは、大いに疑問です。
示談にせよ、裁判上の和解にせよ、当事者双方に、それなりの譲歩が求められることになります。
加害者側の保険会社の担当者は、弁護士ではないとは言え、示談交渉を生業としています。
裁判になれば、弁護士は、勿論プロです。
ですから、被害者本人の譲歩を求める方が、通常は容易な筈です。
最近の任意保険には、弁護士費用特約（交通事故の被害者になった場合に、被害者自身が加入している任意保険から、自らの弁護士費用が支払われる特約）が付いていることが多いので、交通事故の被害に遭った場合には、保険の内容を良くご確認することをお勧めします。
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