◆交通事故
後遺障害等級併合4級で5700万円余りの提示だったのが、自賠責への被害者請求を含め、総額約1億円で訴訟上の和解
依頼者の女性は、その年の春に中学校を卒業後、高等学校等に進学していなかったのですが、友人の運転するバイクに同乗中に自動車と衝突するという交通事故に遭い、頭部に激しい外傷を負い、意識不明の重体となり、4か月以上入院し、更には5か月以上リハビリのために通院し、奇跡的に、日常生活動作には殆ど支障がないまでに回復したものの、後遺障害等級5級2号の「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」と、後遺障害等級9級9号の「1耳の聴力を全く失ったもの」に該当し、併合4級に該当するものと認定されました。
相手方の保険会社からの依頼者自身への提示額は、後遺障害による逸失利益の基礎収入を中卒の女性の全年齢平均賃金とするなど、5700万円余りに過ぎませんでした。
後遺障害等級の認定自体は、妥当なものと思われたことから、取り敢えず、示談交渉をしてみたものの、全く埒が明かないことから、早々に、同乗していたバイクの自賠責と、相手方の自動車の自賠責の双方に、被害者請求を行った上で、訴え提起しました。
1500頁以上にわたる医療記録や、親御さんからの度重なる聴き取り調査をもとに、入院中の依頼者の状況や、外形的な日常生活動作だけからではわからない高次脳機能障害特有の後遺障害の状況、将来の見通しなどを主張・立証し、裁判官に、後遺障害による逸失利益の基礎収入を全ての学歴の女性の全年齢平均賃金とすることや、相手方の保険会社が認めていなかった平均余命までの近親者の介護(看視)費用を認めてもらうなど、訴え提起から約1年で、総額5900万円の和解が成立しました。
当職が受任する以前に、相手方の保険会社から、生活費の不足を補うための仮払金を受け取っていましたし、当職の受任後、双方の車両の自賠責への被害者請求により、4000万円近くの保険金(併合4級に対する支払限度額である1889万円×2=3778万円)を受け取っていましたので、総額では、1億円近い金額となりました。
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