◆交通事故
後遺障害等級14級で250万円足らずの提示だったのが、後遺障害12級が認められ、1100万円余りで示談
依頼者の方は、バイクを運転中、見通しの効かないコーナーの先で、Uターンしきれずに車線全体を塞いでいた自動車に激突するという大事故に遭い、骨折だけでも7か所もの骨折を負い、4か月以上入院し、その後も1年半以上通院治療を受けたものの、様々な症状を残して、症状固定と診断されました。
当初認定された後遺障害等級は14級9号(局部に神経症状を残すもの)に過ぎず、加害者側の保険会社からの依頼者自身への提示額は150万円余り、更に、依頼者自身が交渉してみても、250万円足らずというものでした。
解決してから、改めて依頼者の方に確認したところ、当職のホームページの解決例を見て、相談・依頼に至ったとのことでした。
事故の内容、依頼者の症状に照らして、後遺障害等級14級というのは、軽過ぎると思われたことから、まずは、後遺障害認定に対する異議申立を行いました。
異議申立から、結論が出るまで、実に1年以上待たされましたが、待った甲斐があって、12級5号(けんこう骨に著しい変形を残すもの)と認定されました(14級9号(局部に神経症状を残すもの)については、同一部位だったため、包括しての認定ということになりました)。
それでも、加害者側の保険会社からの提示額は、驚くべきことに、340万円余りというものでした。
裁判という選択肢もありましたが、依頼者には事故後も殆ど減収はなく、このようなケースの場合、裁判官の後遺障害による逸失利益に関する判断は、被害者側に厳しいものになりがちなため(実際に、逸失利益を全面的に否定した裁判例もあり、裁判官は、被害者本人が、痛みをこらえながら、事故前と同様の仕事を続けていることに対し、余り理解を示さない傾向にあります)、取り敢えず、資料に基づき、当職の方で改めて損害賠償額を算定し、損害賠償請求を行いました。
示談交渉では無理なのであれば、財団法人交通事故紛争処理センターに対し、示談斡旋の申立をしようと考えていましたが、半年余りの示談交渉を経て、後遺障害による逸失利益を含めて、当方の請求額の大部分を認める1100万円余りという回答を引き出すことができたため、示談することとなりました。
この方の場合、弁護士費用特約はありませんでしたが、当職の報酬を差し引いても、依頼者自身が交渉した4倍以上の1000万円を超える賠償金を受け取ることができました。
本件の場合、依頼者自身が、急ぐことなく、解決に至るまで、辛抱強く待って下さったので、当職自身も、腰を据えての異議申立、強気の示談交渉ができたことが、良い解決につながったと思います。
解決例 目次へ
|